一輪の桜 [天気が転機]
桜の開花が全国から続々と届いています。
熊本で開花の基準となる標本木で
最初に咲いた一輪の花を運よく写真に収めることができました。
開花の発表は5輪から6輪咲いたとき。
満開になるのは開花後、1週間から十日程度かかります。
今週は少し寒い日が続くため、満開になるまで時間がかかるかもしれません。
見頃の期間は一週間程度と短いですので、
タイミングと天気予報を参考にお花見を楽しんでください。
ただ、桜の時期はまだ霜が下りるほど冷え込むことがあります。
日中は暖かくても、夜は寒くなりますので、防寒対策は忘れないように。
寒くて店の中に避難したら、それはもうタダの飲み会ですからね(^^)
気象講演会します 【in 福岡】 [天気が転機]
『 空 と 地球 と 自分 の未来 』
ヒット曲の歌詞をひとつ見ても、「青空」や「虹」などの気象用語はいっぱい出てきます。
それだけ皆が空や天気には関心があるし、心まで左右される存在なのでしょう。
私の仕事はその空を見上げること。
あすの天気を予報するだけではなく、空の「素晴らしさ」や「怖さ」、そして「変化」 を伝えることです。
毎日、空を見上げる生活をしてみませんか?
期日:2007年11月4日(日) 14:00~16:30
会場:福岡県苅田町新津1-10-1
小波瀬コミュニティーセンター(℡0930‐23‐1000)
主催:中高生学び発見広場
(中高生が自主的に講師を依頼して、運営しています)
参加費:学生100円、大人1000円
中高生向けにお話しますが、大人も参加できます。会場が広いため、たくさんの方が来場してくれるとありがたいです。講演のあとの親睦会の時間も含まれているようです。
☆子供たちのHPはコチラ
http://www.sonic-youth.net/~discovery/index.html
空の写真展 in art moco.2007 [天気が転機]
場所:エメラルドリゾートホテル(福岡県糸島郡志摩町芥屋1513)
JR筑前前原駅北口 から 無料シャトルバス有り
日時:10月12日(金)・13日(土)・14(日)
午前10時~午後6時(最終日は午後5時まで)
約40名の様々なジャンルの アーティストが
展示即売・コンサートなどを行う 一大イベントに
【メノウ(空のポストカード・写真)】 のメンバーの一人として参加します。
芸術の秋 リゾートホテルでアート三昧はいかがですか?
お待ちしてまーす。 (私は14日しか会場に居られませんが…)
月の光の御裾分け & Big NEWS [天気が転機]
先に宣伝から
8月31日(金)12:15~13:00
熊本でラジオを付けると、 どの局でも私がしゃべってます。
熊本のNHK、民放、FM局など 6局同時生放送の特番
『2007防災・命のラジオ』
のコメンテーターとして出演が決定!!
今年で11年目を迎えるこの番組。
これまでは大学教授などが出演していたようです。
何を話すか今回は教えません。決まってません(笑)。
お聞き逃しなく、今すぐ録音のご用意を!
さて、本編へ
8月28日(火)は日本全国で皆既日食が見られるはずでしたが、
晴れて月を見ることができたのは、九州と北海道、東北北部ぐらいでした。
残念だった人も多いと思うので、早速写真をUPしました。どうでしょう?
皆既月食は月が地球の陰にすっぽり入る現象ですが、真っ黒になる訳ではありません。
地球の大気によって太陽の光が曲げられ、わずかながら月の表面に届くのです。
赤っぽく見えるのは、夕日が赤く見える理由と同じ。
光が大気中を長距離通過すると、 波長の短い青い光は散乱してしまい、
波長の長い赤っぽい光だけが残るからです。
宇宙を通る太陽光が、直接月に降り注ぐようになれば元の月に戻ります。
見えなくて、もしくは、見逃してモウレツに悔しがっている方に朗報!?
次に日本で皆既月食が見られるのは…
【2010年12月21日】
そんなに遠くないでしょ?
暑い夏を楽しもう! [天気が転機]
九州では毎日のように35度を超える猛暑日。
甲子園の中継で「きょうも32度の炎天下の中…」と言ってるのを聞いても、暑くないじゃんと思ってしまうのは、はっきりいって異常ですね。
ただ、もう暑いという話はうんざりでしょうから、きょうは「暑い夏を楽しもう!」をテーマに話を進めていきます。
手振れでピンが相当あまい写真ですが、8月10日は熊本で「火の国まつり」が始まり、花火が打ち上げられました。
花火は天気が重要です。花火の上がる高さは、大きな尺玉でも上端が500mくらいまでですから、通常の雲よりは低く、隠れて見えないということはほとんどありません。ただ、晴れて、空気が乾燥している方が、見通しが良く綺麗に見えます。
風も重要です。平均風速が7mを超えるようだと、打ち上げが危険なため中止になってしまいます。逆に風が弱すぎると、爆発後の煙がその場に留まってしまうため、次の花火が見えにくくなってしまいますし、風があっても風下にいると煙が自分の方へ流れてきてしまいます。5m前後の風が吹いていて、風上から見るのがベストでしょう。
また花火は真下から見ると迫力があっていいという方もいると思いますが、400~500mぐらい離れた方が綺麗に丸く見ることができます。首も疲れないですし、熊本城などの周りの風景も花火を引き立ててくれます。
そしてもう一つ、夏の夜空を楽しませてくれるのが星空です。毎年この時期、お盆の前に流れ星を見ることができます。
ペルセウス座を中心として放射状にいくつも流れ星が見えるため、ペルセウス座流星群といいますが、夜空のどの方向にも流れ星は現れます。ただ、このペルセウス座が高い位置に上る真夜中の0時すぎの方が、多くの流れ星を見ることができます。
8月11日(土)の夜から14日(火)の朝までの日が沈んでいる時間帯が見頃です。
特に13日月曜日の明け方、日の昇る前がベストです。ちょうど新月で月明かりもありません。街の明かりも少なく、空の広い範囲が見渡せるような条件のよい場所であれば、1時間に50個以上、約1分に1個の流れ星を肉眼で見ることができます。ただ、暗がりに目が慣れるのには15分ぐらいはかかりますので、すぐには諦めないで探して見て下さい。
さて、お盆の時期は親戚や地元の友人達と一緒に、海や山へ出かける人も多いと思います。注意点をまとめてみました。
まず海水浴ですが、日差しは上からだけでなく、海面に反射して下からも加わるため強烈です。普段、日差しに慣れていない素肌を急にさらすと、水ぶくれや火傷のおそれがあります。水着の上にTシャツなどを着て、日焼け対策をして下さい。また、水分や塩分はこまめに補給し、日陰で休憩を取って、熱中症を防いで下さい。
海岸には岸から沖の方へ向かう離岸流という流れの所があって、水の事故が引き起こされます。岸に向かって泳いでも、沖に流されていると感じたら、岸と平行に泳いで下さい。離岸流の幅は大きくても10~30mぐらいで脱出できますので、慌てないことが大切です。また、雷は高い所に落ちますので、まわりに高い建物などがない海岸は、人に落雷する事故が多く発生します。雷が鳴ったら、コンクリート製の建物や車の中など安全な場所に避難して下さい。
続いて山や川のレジャーの注意点について。
山の天気はとにかく変わりやすいです。夏の雷をもたらす積乱雲は5分から10分ほどで発達し、雷が鳴ったかと思うと、急にザーと強い雨が降り出します。くぼ地などで姿勢を低くして、雷雲が通り過ぎるのを待って下さい。雨の降る時間は短いですが、雨具や着替えなどの準備が必要でしょう。また、川の中州に渡って、釣りやバーベキューをするのも楽しいですが、川の上流で大量の雨が降れば、中州は水に浸かってしまいます。水かさが増えて来た時の逃げ道を、あらかじめ確認しておいて下さい。また、川の水が急に濁る、土臭いにおいがする、地鳴りがするなど流れの音が変わるのは、鉄砲水や土石流の前触れです。直ぐに安全な場所に避難するようにして下さい。
これから夏休み後半は、天気の知識を活かしつつ、事故が無いように、楽しい思い出をいっぱい作って下さいね。
気象入門セミナーのお知らせ [天気が転機]
7月に入ってからというもの、大雨・台風・地震と
テレビや新聞のトップニュースで、気象に関することが毎日のように取り上げられています。
地球の温暖化が進むにつれ、こうした気象災害の頻度も多くなると考えられ、
一般の人達も広く、ある程度の知識を持っておく必要が出てきています。
さて、8月から「熊本のヒューマンアカデミー」で
気象予報士試験講座の講師をすることは以前もお知らせしていましたが、
7月21日(土)14:00~16:00
ヒューマンアカデミー熊本校 にて、
講座のガイダンスを兼ねた「気象入門セミナー」を行います。
本講座は有料ですが、このセミナーは【無料】ですので、
気軽に足をお運び下さい。
【問い合わせ先】
ヒューマンアカデミー熊本校 ℡0120-15-4149
http://haa.athuman.com/academy/weather/location/206810/class/
追記:いつのまにか総閲覧数が10000を超えていました。
検索サイトでも『さいたさん』と入れるとトップの画面に表示されます。
ご覧頂いている皆さん、ありがとうございます。
今後はもっと更新の頻度を多くしようと思いますので、
左の欄から読者(RSS)に登録もしていただけると非常にありがたいです。。
防災ラジオ1197 [天気が転機]
『富士山を探せ!』
RKK熊本放送『防災ラジオ1197』という防災に関する特別番組に、スタジオゲストとして出演します。
期日:6月26日(火)12:10~13:00
ゲストとして出演するのは初めてですし、放送時間50分も未体験ゾーン。
でも、8月からは気象予報士講座の講師として、毎回3時間話すわけですし、これぐらい軽くこなさないといけないですね。
番組では、54年前に熊本市などに大きな被害を与えた6.26水害。その教訓や最近話題となっている局地的集中豪雨や都市型水害への対応などについて紹介します。
きょうは番組で話そうと思っている内容をダイジェストで、チラ見程度に…。
近年、温暖化や都市化の影響で集中豪雨が増えています。 雨量の統計は熊本では1891年から110年ほど行われていますが、一時間の最大雨量の記録は上位10位までの内、ここ20年で6回を占めているのです。 昨年6月26日には54年前の大水害とまったく同じ日に、熊本市で1時間に86.5ミリの大雨が降りましたが、これが過去最大の1時間雨量の記録を塗り替えています。
大雨で最も怖いのは、1時間に30ミリを超えるような激しい雨が降るときです。降り始めからの雨量が150ミリを超えるときも危険信号。地面が水分を含み、少ない雨でも土砂災害の可能性が有ります。また、山沿いで大量に雨が降り、流れ込んできた平野部の河川が増水している所に都市部で大雨になると河川の氾濫の可能性が高まります。雨は自分の上に降っているかどうかだけではないのです。
熊本ではこの6月下旬と梅雨末期の7月中旬が特に大雨になることが多いため、天気予報などの情報にいつも以上に注意してほしいと思います。事前に家の周りの側溝を掃除して水はけを良くしたり、土砂崩れの危険がある場所を把握しておくこと。また、避難場所なども確認しておく必要があります。 災害時に大切なのはまず慌てずに情報をきちんと把握すること。電気が止まったときのために、携帯ラジオは必ず持っておいて下さい。
天災は防ぐことができませんが、被害を最小限に抑えることは人々の努力でできます。それには近所の人同士が助け合うことも非常に重要となります。
都市にお住まいの方、お隣の人の顔は分かりますか?
詳しくは、6月26日(火)12:10~13:00 RKK1197Hzをお聴き下さい。
気象予報士になっとこう! [資格の死角]
『Daybreak』
またまたご無沙汰してしまいましたが、新たなプロジェクト始動します!
地元の熊本で『気象予報士講座』の講師をすることになりました。
ヒューマンアカデミー熊本校
①入門講座 8月25日(土)スタート 全10回
②総合講座 10月6日(土)スタート 全34回
来年夏の気象予報士試験で、受講生全員合格を目指します。
やる気のある方は、私の本来の職場(気象会社)に紹介する特典付き。
人材の発掘と育成の使命も帯びています。
講座説明会の申し込み を開始しています。
①6月16日 ②7月21日 14:00~15:30
気象予報士試験の合格率は現在6%前後ですが、この数字にびびる必要はありません。
受験資格が全くないから、何となくマスコミ志望の人がとっておこうぐらいの気持ちで結構受けています。
試験会場で試験開始前に教壇に立てば分かるのですが(私は他の資格試験でもよくやります)、
3分の1は、会場で既にやる気なし。上の空で昼ごはんのことなど考えてます。
3分の1は、今頃になって分厚い参考書を必死になって見ています。手遅れ。焦るだけ意味なし。
残る3分の1の勝負。ちゃんと勉強の仕方を間違えなければ、誰でも受かる試験です。
試験には学科・専門・実技×2がありますが、
学科・専門はマークシートです。しかも15問中の11問正解でほぼ合格ラインです。
約半分を自信を持って解答(15問中7問)+後は2択まで絞り込めれば(8問中4問)合格です。
実技は筆記ですが、何文字程度で述べよ。という問題です。
文字数が提示されるため、自ずと解答を埋める言葉は限られてくるのです。
天気予報が外れる可能性のある天気図は出しません。はっきりと答えは一つなのです。
私は気象学の授業をするつもりはありません。
資格試験は必要最低限の努力で、合格することが全てだと思っています。
まず合格すること。「ちゃんと難しい数式とか理解した方が後々…」とか言う人もいますが、
合格には必要ないし、気象キャスターにも必要ありません。
ただ、気象の仕事に就くなら、常に勉強を続ける覚悟が必要です。
気象環境は大きく変わりつつあるからです。
まだ夏になったばかりですが、去年と変わったことといえば?
①35度以上を猛暑日ということに。早くも5月に記録。温暖化の影響顕著に。
②土砂災害警戒情報が各地で発表に。集中豪雨が増えているから。
③5月に大量の黄砂。中国の砂漠化の影響も。
④光化学スモッグ注意報の発表多数。中国の工業化。 etc.
今後、気象予報士の需要は確実に増えます。
地球温暖化が進む今、我々に求められているのは、あすの天気予報だけではありません。
大変ですが、やりがいのある仕事だと思います。
①入門講座では、天気や空が気になってしょうがない人になってもらいます。日々の天気を生活にどう活かし、試験に結びつけるのか。また、私は現役の気象キャスターですから、キャスターの現状と求められることなども詳しく話します。
②総合講座は とにかく全員合格を目指します。「賢く・効率良く」が重要。いくつも資格を持っている私が受験テクニックを交えて講義します。
来年から一緒に働きましょう。まずは講座説明会に来てください。
①6月16日 ②7月21日 14:00~15:30
暖冬が桜の開花に与える影響は? [天気が転機]
(写真は梅です)
今年の2月は暑かったですね。この影響もあって、スギ花粉の飛散が一気にピークを迎えています。また、白菜などの野菜が豊作で値段が下がっているようです。高温傾向の続いている2月のこれまでの気温をまとめてみました。熊本市の2月の平均気温は9度6分。これは平年に比べると、3度1分も高いのです。2月23日は熊本で雪が降る最後の日の平年日なのですが、もうすっかり春本番の暖かさが続いて、まさか雪の時期とは思えないですよね。2月の過去の高温の記録も調べて見ました。9度6分は僅差で観測至上4位。3位は1998年の9度7分、2位は1959年の9度9分、1位の1990年は10度5分。2位これは3月の平年の平均気温10度1分を大きく超えています。
さて、3月といえば、気になるのは桜が咲く時期ですよね。今年よりも暖かだったこれらの年の開花はどうだったかというと…。1位と3位が3月17日で、平年の24日より1週間早かったのです。今年も同じ時期に咲く可能性が高そうですね。
ただ、ちょっと気になることもあるのです。これまでに届いている桜以外の春の便りをごらん下さい。
ひばりの初鳴きは1月20日で平年より1ヶ月も早く、ウグイスは2月20日に8日早く初鳴きが観測されました。ただ、梅の開花は熊本では2月6日で平年より7日遅かったのです。実は梅などバラ科の植物は前年の夏には花の芽が作られていて、その後休眠しています。そして冬の寒さで目を覚まし、春に向かう暖かさで花を咲かせる訳です。ただ、今年は暖冬ではっきりした冬の寒さがありませんでした。このことが梅の開花の遅れに影響したと考えられるのですが、実は桜も梅と同じバラ科の植物なのです。ですから、ずっと暖冬だった今年の桜の開花予想は非常に難しい所なのですが、全体的にはやはり5日ほどは早く咲き始めると思われます。ただ、地域や場所によって大きくバラツキがでる可能性が高いと見ています。「いろんな場所で何回も花見ができるじゃないか」と前向きに考えてみてはいかがでしょうか。
さて、気象台が3月から8月にかけての長期の暖候期予報を発表しました。まずは春から。こちらは余り楽観視できないのですね。3月は一時的に寒くなる日がありそうなため、高温か平年並みとなっていますが、春もこのまま高温傾向が続く見込みなのです。そして3月と5月が平年より雨が多くなる予想です。3月中旬から4月ごろの長雨を菜種梅雨といいますが、これを含め全般に季節の進みが早そうです。梅雨の前に雨が多くなる「梅雨のはしり」が、今年は顕著になるかもしれません。
続いて夏です。6月から7月の梅雨時期の降水量は平年並みの予想です。ただ、熊本のこの時期の平年の雨量は811ミリ、2ヶ月で年間の4割ほどが一気に降ることになります。梅雨入りの平年日は6月5日、梅雨明けは7月18日ごろですが、特に梅雨末期の大雨による災害には今年も注意が必要です。そして気になる気温ですが、6月から8月も高温傾向が続き、暑い夏になりそうです。もう今年はずっと高温傾向ですが、実は平年値というのは1971年から2000年の30年間の平均の値を使っています。地球温暖化で気温がこのところ急激に上昇しているため、平年値の意味が薄れてしまっているとも言えそうです。
まず知ろう!地球温暖化 [環境に感興]
今年の冬は本当に暖かく、九州ではほとんど雪が降っていないですよね。19日は二十四節季の一つ「雨水(うすい)」で、雪が雨に変わる頃という意味ですが、2月の後半も暖冬傾向が続くため、もう雪が降ることは無いでしょう。今年の暖冬はエルニーニョ現象だけでなく、地球温暖化の影響が顕著に現れているというのが科学者たちのほぼ共通の見解のようです。
「気候変動に関する政府間パネル」 という世界の研究者らによる会合が今月初めまで開かれ、地球温暖化が予想以上に深刻だという報告がされています。過去100年で世界の平均気温が0.74度上昇し、近年は異常気象が頻発しているわけですが、このまま石油など化石燃料に依存した経済成長を続ければ、今世紀末には最大で6.4度も上昇すると予測されています。影響は気温だけに止まらず、海面が59センチ上昇して、日本の海岸から砂浜がほとんど消えてしまいます。また、海水温が上がれば、熱帯低気圧の勢力が増し、アメリカを襲ったカトリーナのような台風が日本を頻繁に襲う可能性もあります。北極の氷が夏には無くなったり、海が酸性化して魚などに影響することも懸念されています。大変な事態ですが、これら温暖化の原因は、人間が大気中に増やした二酸化炭素などが原因だと、今回の報告では初めてほぼ断定されました。
そもそも二酸化炭素などの温室効果ガスが大気中にわずかに含まれているおかけで、地球の温度はほどよい状態に保たれています。農業用ハウスと同じようなもので、太陽からエネルギーは入ってきますが、出て行くのを防ぐ仕組みです。ところが、ガソリンなどの化石燃料を燃やして二酸化炭素を大気中に増やし、逆に二酸化炭素を吸収してくれる木をどんどん切り倒してしまっているために、急速に二酸化炭素が増えて、温暖化が進んでいます。
では熊本では、実際どれだけ温暖化が進んでいるのでしょう?
熊本の平均気温の観測記録は1891年からあります。1950年ごろまではほぼ横ばいですが、その後上昇を初め、90年代から急激に気温が上がっています。自然界にはもともと10年から数十年程度の気温変動があるのですが、それでは説明のつかない気温の上昇が明らかです。世界平均では100年で0.74度の上昇でしたが、熊本は都市化の影響などもあるため、2度ほど上昇しているようです。みかんの栽培に適した気温は15度から18度といわれていますが、1950年頃まで15度代だった平均気温は、最近17.5度前後に!このペースで上昇すればすぐにでも適温を超えてしまいそうです。
また、気象庁では今年から35度以上の日を猛暑日と名づけようとしていますが、熊本では最近非常に増えているのです。90年代から増え始め、猛暑だった94年に41日。2000年以降はほぼコンスタントに20日前後もあります。実は土砂災害などを引き起こす集中豪雨も増加。熊本では去年6月に、1時間に86.5ミリという過去100年で最大の値を記録しています。地球温暖化は世界の問題ですが、自分たちの現実にも影響が出始めていることを再認識する必要がありそうです。国や企業だけでなく、私たち一人一人が生活を改めなければ、温暖化は食い止められない所まできています。
エネルギーの消費を抑えて、二酸化炭素の量を減らす取り組みは日常の生活の中でもできます。自家用車の利用をできるだけ減らして、公共の交通機関や自転車を使ったり、車のアイドリングをやめる。服装などである程度調節して、冷暖房の温度は抑える。コンセントは指したままだとエネルギーを消費するため、こまめに抜く。過剰包装や使い捨て商品はゴミを増やし、資源の無駄になるため使わない。これだけでも京都議定書で決められた温室効果ガス6%削減を、個人レベルではほぼ達成できます。どれだけ多くの人が意識持って行動するかが重要なのです。次の世代に、住みやすい環境を残すことは、この時代に生きる私たちの最低限の義務だと思います。